子供の事情2
下書き放出。
引き続きネタバレでございます。
が、前回の記事は帰りの新幹線で書き、今回の記事は舞台からだいぶ経っています。若干「ちがう💢」と思っても許してください。(個人的備忘録のつもりが前回の記事みられてたので。)
1幕はアニキが一番大事にしていたポジションを奪われるところで終わりました。
一度失った信頼、戻りません。唯一ホジョリンだけは少し優しくしてくれます。
さ、2幕はますます、それぞれの「子供の事情」が交錯していきます。
時は移り変わり、ある日の漢字テストのこと。学校になかなか来られない中、いつも100点を取っていたヒメに大事件がおきます。
なんと、95点を取ってしまったんです。いや、たかが5点ですが、芸能人だからって大人に舐められたくないヒメにとっては一大事なわけです。まさに子供の事情。そんなの命取られるんじゃないんだから大丈夫って言ってあげたい。
ヒメは当然小悪魔タイプ(と思われる)なので、ヒメに好意のあるジョーに相談します。なんとかこのテストを100点にしてほしいと。
ジョーは当然好きなヒメに好かれるために全力を尽くすことを約束します(ちょっとかわいい。でもこの感情、ラストでもっと変化します。)
しかしこれが難題だった。
点数は赤ペンで書いてあるため、どう頑張っても100に書き換えるのは無理。
確かここで、ジョーはゴータマに助けを求めます。
ここはさすがゴータマです。ただでは引き受けません。実は、ゴータマには好きな人がいました。それはホジョリン(笑)ゴータマは席替えでホジョリンと隣になりたかったのです。その席替え表を先生にソウリが作ったことにして渡せというのです。
ジョーは引き受け、相談の結果、テストはクラスで100点をとったやつと交換することにします。名前を消して書き換えれば分からないと。
なんとその100点をとったやつはただ一人、あの勉強ができないホリさんだったのです。人生初の満点。大事にしたいに決まっています。
その満点のテストを95点と交換しろとジョーはいうのです。95点だってとったことないだろ?別にいいじゃないかと、また言葉巧みに乗せようとします。
私だったら「ふざけんな💢」と絶対言いますが、ホリさんにも事情があります。実はホリさん、ずっとアニキと一緒にいたけれど、アニキが悪者になってしまい、付く人がいなくなってしまった。学校の人気者、権力のあるヒメに恩を売り、ヒメに付くチャンスだったのです。
ヒメも、テストを交換すれば、ホリさんの好きな仮面ライダーの人に会わせると約束します。
遂に決心したホリさんは悪に手を染め…るところで、ひと笑い。さすが三谷さん 笑 普通だったらシリアスよ。ホリさん、会えることに夢中になって、なかなか名前を消してくれない 笑
そうこうしてるうちに、先生にそのことがバレてみんなで怒られます。
ここで、ヒメが本業を見せます。ガチ演技で謝り倒し(もう笑ったわ)先生に許しを乞います。
本当は、ジョーがやるはずだったのに、です。
さすがジョー。ここで、テストのことを洗いざらい話して謝り、先生にまで恩を売る算段だった。が、失敗。徐々にジョーの計画に綻びが生じてきます。
アニキも黙っちゃいません。ジョーのことを探り出します。そして、ある重大な秘密に気付くのです。
一方、めでたくホジョリンと隣の席になったゴータマは、距離を縮めます(強引かつ分かりにくいけど。好きなのに正直になれないゴータマの可愛らしさが垣間見えます。)そこで、ホジョリンにだけなぜ悪いことをするのか打ち明ける。それは、いつ死ぬかわからない怖さから。だから、好きなことをやると。うわ、厨二病とか思うけど、4年生ってだんだんいろんなことがわかり始める時期なんだよね。だから自我が芽生えるし、比較的精神年齢高いゴータマならでは。何にも知らず、友達とただ楽しく遊ぶだけでは済まされなくなってくる。
そこにホジョリンは優しく手を差し伸べます。死の恐怖はどうにもできないけど、一緒に楽しいこと見つけようと。
徐々にゴータマの心境に変化が見られるようになります。
最後は3学期。
この物語でずっと伏せられていた「このクラスに殺人の加害者の子供がいる」に触れていきます。
校舎の前には記者がたくさん。殺人事件から丸何年か経ち、取材しようと集まっています。ただ、職員室は職員室で、重大な会議に。(んな場合ではないと思うのだが 笑)今まで隠していたことが公になり、ゴータマとジョーが慌てていました。
2学期の始まり、ドテが恐竜の化石を掘り当て、とんでもない話題になったのですが、それが偽物だと明らかになったのです。
実はそれ、ゴータマとジョーが理科室から化石を持ち出して埋めただけだった。ちょっとしたいたずらのはずが、大ごとになり言い出せなかった。
子供にはよくある話。
ドテは先生達に追求されるが、怒られていることが何かもわかっちゃいない。ゴータマはホジョリンに説得され、先生に本当のことを打ちあけようとします。
そこで掻き乱すのがジョーです。
昇降口前まで迫った記者の群れを堂々と通り抜けよう、びくびくしなきゃいけない理由なんてないと、殺人事件の加害者の娘、ホリさんに告げ、実行しようとします。でもそれは嘘。まだ校舎にいると記者に話し、呼んできたのはジョーでした。語られませんでしたが、嘘が大ごとになったため、逃げようとしていたのかな、ジョーは。
ここでいよいよアニキの登場です。
ジョーの秘密を全てバラします。
ホリさんを励ましているように見えるが、あの記者たちを呼んだのはジョーだと。
また、ジョーの父は船乗りだとかいうのも嘘。最近近くに建った豪邸に住んでいるおぼっちゃまだった。
ジョーの筆箱を見てあれ?と思ったと。(テストの場面で伏線があります。)しかもヒメの大ファンで、筆箱の中はヒメの写真だらけ!
全部バラされ小さくなるジョー。
さらにゴータマの一言が刺さります。
「アニキは確かにうちらを裏切った。でも、嘘をついたことは一度もない」
この言葉。正直に生きてきたアニキの勝ちです。
実はここで終わってた下書き 笑
でも、本当に観てよかったと思える舞台でした。
ちなみに最後は、林遣都くんのホジョリン…三谷幸喜さんの語りで終わります。
日常のクラスの様子が、だんだん遠ざかっていきます(舞台が動いて)
実は、このあと彼らがどんな大人になったか知らないと。
でも、彼らが幸せに生きてるといいな…
私、涙目でした 笑
10歳という設定でしたが、彼らの人間関係は生々しかったです。私の今の職業柄、そう見えるのかも知れませんが。人間のいろんな面が良くも悪くも透けて見える、いろいろ考えさせられる舞台でした。
いろんな駆け引き。思い。
大人も子供も変わらない。
経験の違いでその度合いは変わるだろうけど。
どんな問題にもいろんな事情があり、隠された思いがある。
考えなしに悪いことばかりしているわけじゃないことなんていっぱいある(考えなしのときもあるけどね)
子供だからって見ないで、もっと子供の思いをみてあげたいと思いました。